真説スズメのお宿14 本物お化けにはかなわない
賽銭をバラ撒く、社殿よりも大きな大入道を見て参詣者の一人が聞きました。「あなたは、以前はこの葛籠に入っていたんだろう。どうして入ることが出来るんだい。」、すると大入道が答えました。「俺たち、お化けは人間とちがって、飯も食わんし水も飲まん、空気だって必要ない、必要なのは霊気なんだよ。霊気をとりこめば大きくなれるし、霊気をはき出せば小さくなれるんだ。以前、スズメのお宿でこの葛籠に入っていたときは、昼間はみんな霊気をはき出してこの葛籠の中で息を殺して夜まで辛抱していたのさ。今は泥縄山の霊気を存分に受けて、お化け妖怪一同大満足だよ。意地悪婆さんと言われているあの婆さんは、俺たちの大恩人さ」と言って、ぐっと胸を張ると、大入道は一層大きくなって、参詣者達を見下ろしました。
参詣者達は、本物のお化けに出会えた感激で、途中の出店でいろいろな物を買いながら帰って行きましたが、最後に麓の、小さなスズメのお宿のスズメ飴は、気がつかずに行ってしまいました。
この飴は、スズメのいろいろな姿を、綺麗な飴でつくった物でろくろっ首の姐さんが丹精込めて造った物です。
お祭りの時に、あまり売れなかったのでろくろっ首の姐さんは一寸落ち込んでいましたが、毎日、せっせと新しいスズメを作っていました。