真説スズメのお宿9 お宿がなくなるのです
「一体何が起ったんだい」とお爺さんが聞きました。舌切り雀は答えました「あの藪が、スズメにとってあまりにも良いところだったので、方々からスズメが集まってきました。あんまり多くなったのでそこへ大勢のスズメ取りの猟師がやって来て、私たちを捕まえて焼き鳥にするのです。それがあんまり騒々しいので竹藪の持ち主が、竹藪を全部更地にしてマンションを建てて分譲しようとしているのです。そうなったら私たちの住まいがなくなってしまいます。分譲マンションなどは買えません。助けて下さい。お爺さん。」とスズメが涙を流して訴えると、お爺さんは、困ったような顔をしてお婆さんの方を向いて、「婆さん、何とかしてやってくれよ。」と頼みました。
お婆さんは、スズメがお爺さんにばかりお願いしているので不機嫌な顔をして座っていましたが、お爺さんから頼まれると、スズメに向かって「心配はいらないよ、私が前よりもずっと良い広い新しいスズメのお宿をつくってあげるよ。おおきな葛籠に入っていた、妖怪変化も今は 泥縄山 で良い暮らしをしているんだよ。お前達も、泥縄山へ行ったらどだい。」と、お婆さんが言うと、スズメは驚いて、「泥縄山へ行ったら、私たちが夜になる戸葛籠に入れられてしまいます。」